変わらぬ想い
あの結婚式からもう5年が経った。
普段から、お互いに想いを伝えることが苦手な私たち。
結婚式でもそうだった。
小さな頃から顔見知りで、真っ赤な顔で告白された中学生の頃から10年付き合って結婚式を挙げた日。
その日はまるで同窓会の様に楽しかった。
それから数ヶ月後に転勤が決まり、せわしなく過ぎていった日々。
久しぶりに一緒に食事でも行かないか?
と彼に誘われ向かった先は
あの日の想い出がたくさん詰まった場所だった。
懐かしいエントランスをぬけると
5年前と変わらない暖炉の薪の匂い。
そして少しだけいつもより上機嫌な彼。
デザートを食べた後、案内されたのは あの日に誓いを立てた場所。
そこには1つの綺麗な宝箱があった。彼に促されおそるおそる歩み寄ると、
「5年後のあなたへ」と記された1通の手紙が入っていた。
そこにはたった一言、
「多分何年先でもあなたの事が大好きです」
ふと横を見ると
あの時と変わらない真っ赤な顔がそこにはあった。