【結婚式当日】むすめ
しわくちゃの顔で産まれてきた娘
初めて歩いた日
パパと呼んでくれた日
大きなランドセルを背負った日
ちょっと寂しかった反抗期の時期
初めての給料で買ってくれたネクタイ
あの何気ない日々がこんなにも宝物で
あの時間がこんなにもあっという間だったなんて
いまどんなに考えないようにしても
溢れてきてしまう思い出たち
娘が今日結婚する
私の宝物
かわいくて仕方なかった娘
今、隣で私と腕を組ながら
ドレス姿でヘアメイクさんと
普段通りのあの笑顔で話してる
私にはそんな余裕はない
込み上げてくるものを落ち着けるので
精一杯だった
オルガンが扉の向こうで音が鳴り出した
スタッフのかたにも緊張感が走った
その瞬間
娘が不意にこっちを向いて
「ねぇパパ、今日まで本当にありがとう」
何かが溢れた瞬間
眩しい光ともに
オルガンの音が目の前に響き渡った