かけがえのない父という存在
男手ひとつで
一人娘の私を育ててくれた父。
炊事洗濯をする姿は私にとってはお母さんのようでもあり
掃除が苦手でちょっぴり大雑把なところはやっぱり男の人でお父さんなんだなと感じる。
幼い頃、私が不機嫌になったり泣いている時には不器用なはずの父が作ってくれた指人形でよく励ましてくれたことを覚えている。
思春期を迎えると
一生懸命自分の為に尽くしてくれていたことさえ
うっとうしく感じ、反発ばかりしていた。
沢山傷つけてしまった。
当時のことを思い出すと どうしようもない思いがこみ上げ胸が苦しくなる。
そんな私も大人になり、素敵なパートナーと出会い 結婚式を挙げることとなった。
ドレスに着替え 控え室で待機をしていた。
緊張と不安で思わず涙が出そう、、
そんな時 控え室の扉が開いた。
ドアの隙間から見覚えのある指人形が見えた
思わず吹き出す私に
大丈夫かな?緊張してるのかな?笑って笑って!笑顔が一番似合うから!
と指人形が話す。
そう私に告げて扉を閉めた。
気付くと自然と緊張と不安が和らいでいた。
そして、挙式を迎えた。
父と腕を組みバージンロードを歩く。
さっきはありがとね。指人形。
そう一言つぶやくと
やっぱり笑顔が一番良いね
と嬉しそうに答える父。
今日この日を迎えるまでに歩んできた道を一歩一歩
父と一緒にかみしめていた。