大切な時間
両親は共働きで
幼い頃の私はいわゆる鍵っ子で
一人っ子だったせいもあり
寂しい思いをして過ごしてきた。
だけど自分のために一生懸命働いてくれている両親に対しては
尊敬をしていたし、大好きだった。
そんな私も この先の人生を共に過ごしたいと心の底から思える素敵な彼と出会い
結婚式を挙げることになった。
当日は少しでも良いから
この時間がとまって欲しいと
思う程 楽しく幸せな時間だった。
結婚式が終盤に差し掛かった時
母からの突然の手紙に驚いた。
幼い頃寂しい思いをさせてごめんね、
素敵な彼とかけがえのない時をこれから刻んでいってね
そう言って 私たちに手作りの掛時計をプレゼントしてくれた。
私は涙で霞んで前が見えないながらも
母の手からしっかりと受け取り
ありがとう 。そう言うと
母が力強く私を抱きしめてくれた。