ガラスの靴と私
彼に貰った最初の誕生日プレゼントは
ずっと欲しいと私が言っていた 靴だった。
お気に入りのその靴は
貰ったばかりの時に比べると 汚れが目立っている。
彼にも もう新しい靴買った方が良いんじゃない?
と言われることもあった。
そんな私は、まちに待った結婚式当日を迎えた。
ヘアメイクも終わり ドレスにも着替えおわったあと
ドアのノックが鳴り 扉が開いた。
そこには真っ赤のバラの花束を抱えた 彼がいた。
そして私の足元に 新しい白いキレイなパンプスを差し出してくれた。
「ガラスの靴じゃないけれど、これからきっと君を素敵な場所へとこの靴が連れていってくれるはず」
がらにもないことを言った そんな彼の顔は真っ赤になっていた
その顔を 5年経った今も 鮮明に覚えている
そしてもちろん今でも大切にしている
私にとってのガラスの靴を。