【ウエディングSTORY】友達
見慣れた顔がそろっているバスの中
なんだか気分は修学旅行のような
みんながいつもより大人びて 着飾って どこか浮かれている車内
そんなバスの行き先は結婚式場
小学校からの私たちの友達が結婚する
小さい頃からずっと一緒に過ごしてきて
部活もテニス部一緒 ペアを組んでた時期もあった友達
大学で離れてから
しばらく会わない時期もあったけど
久しぶりに会った時
不思議とその離れていた時間を感じず
昨日あったかのように話が止まらなかった私たち
あの子が結婚する
招待状が 新しい苗字で届いて
どこか少し遠くなってしまった気もしたっけ
そんなことを思いながら到着した会場
ちょっと緊張しながら踏み入れた会場内では
とびっきりきれいなドレスを着て
見たことないくらい幸せそうな顔して
私たちに手を振ってきた あの子
となりの友達が「やばい・・」って涙をこらえている姿を見て
私もたまらず涙がこみ上げてくる
近づいてきた彼女も
「何で泣く~~??」っていいながら涙が溢れてる
なんだろ
よくわかんないけど
涙が止まらない
会ったら「おめでとう」って言おうと思ったのに
涙で声が出ない
こんなこと前もあったね
テニスのペアを組んでいた時
3年間ずっと目指してた大きな大会をかけた試合で勝ったとき
涙でふたり 手を握り合って 崩れ落ちたあの時
しばらくコートの中から動けなかった私たち
あれから10年もたっているけど
私たちは 何も変わっていないみたい
声は出ないけどきっと伝わっているよね
分かってくれているよね 昔からの友達だもん
「心から おめでとう」