指輪への想い
付き合い始めてもう5年経とうとしているある日
彼女に結婚についてどう思っているのかさりげなく聞いてみた
理想の結婚式やなりたい夫婦像などいろいろ話してくれたけど
“婚約指輪なんて職業がら指輪できないからいらないよ“
と最後にきっぱり彼女に言われてしまった
実はすでに指輪は用意してあって
プロポーズのタイミングを見計らっていた
僕にとっては衝撃の事件だった
彼女のことをだいたいは分かっていたつもり
ありきたりだけどドラマのワンシーンのような
プロポーズに憧れを感じていると思っていた
指輪も彼女の好みとかいっぱい考えて用意してたんだけどな
いらないと言われてもいい…
彼女には誕生日のお祝いと伝えレストランを予約
事前に連絡してプロポーズの場所を用意してもらった
真っ赤なバラの花束と指輪を渡し
精一杯の気持ちを伝えてみた…
彼女はとても驚き、今までに見たことのないくらいの
くしゃくしゃの笑顔で結婚を受け入れてくれた
彼女を送り家の前に車を止めた時彼女から
“プロポーズありがとう
あの時、指輪なんていらないって言っちゃったけど本当は
あんなプロポーズ小さい時からの憧れだったの。
そして…実はプロポーズ受けたら渡そうと思っていたの“
と、バックからおもむろに身に覚えのない指輪のケース
“婚約指輪、俺ならはめたいけどなぁ~”
ってボソッと言った言葉、覚えていてくれたんだ!
お互いがお互いを想いあって今日までこれたんだと思えた瞬間だった
あれから1年たった今日
プロポーズしたレストランの会場で結婚式を挙げる
今度は一緒に選んだ指輪と共に…