【結婚式】父の想い
ついこの間生まれてきたばかりだと思っていたら、
もう自分の手から離れる時がきてしまった。
振り返ると娘とは沢山の思い出で溢れている。
初めて抱き上げた時に感じた娘の重みに、父親として絶対守っていくと心にとめたこと。
自分の手につかまりながら懸命に歩く姿に愛おしさを感じたこと。
幼稚園の発表会で大きな声で歌う娘の成長を感じ 思わず涙が浮かんだこと。
中学に入り、反抗期を迎え寂しさを感じながらも。陰ながら見守って来た日々。
一人暮らしを始めた娘の生活が心配と同時に、
我が家がとても静かになり娘の存在の大きさに気付いたこと。
大切に見守ってきた娘が一人の青年をつれてきた時、
娘を守っていくのはこれからは自分ではないのだと寂しさを感じる中、
彼の隣で幸せそうに微笑んでいる娘を見て 「これでいいんだ」と少し肩の力が抜ける気がした。
結婚式の日どりが決まり 準備に奮闘する娘に結婚式の話をすると、
「すごく楽しいパーティーになるから楽しみにしてて!」と目を輝かせる姿に、
やれやれ と思いながらも当日が楽しみになる単純な自分もいた。
迎えた当日、沢山の友人に囲まれ笑顔の娘を見て、
月並みな言葉かもしれないが 「本当によかった」と心から感じる事ができた。
今日という この日が親の自分にとってもかけがえのない一日になるなんて、
思いもよらなかった。
式が終わったら娘に伝えよう。
「凄く楽しい結婚式だった」
そして、
「ありがとう」と・・・。