花嫁のお父様の夢
それは冬の始まり。チラチラと雪の降る頃。初めてのブライダルフェアにお越しいただいたお二人は、春のウエディングご希望でした。でも、すでにご予約はいっぱい。お二人にご案内できた日は冬の12月12日だけでした。
ふと、この日の誕生花を検索してみました。
誕生花は”デンファレ”。花言葉は「お似合いの二人」。
素敵な日だな、と思い、お二人にお伝えすると新婦様が驚いた顔をされ、声を震わせながらこんな話をしてくださいました。「・・デンファレは、亡くなった父の大好きだった花なんです。父がこの日にしろと言っている気がします。よろしくお願いいたします・・・!」
そうして12月12日への準備が始まりました。
お打ち合わせの中で、本当は神社で挙式をしてみたかったけれど、天国のお父様の夢が、バージンロードを一緒に歩くことだったので、教会式を選ばれたお話などを伺いました。そして、迎えた当日・・・。とてもよく晴れた朝でした。
式場の駐車場に着いたお二人の車から、息を切らして飛び出てきたのは、新婦様のお母様。お母様の手には新聞紙でくるまれた何かがあり、私に勢いよく渡してくださいました。
「これを・・どこかに・・飾ってください!今日の朝、満開に咲いていたんです!あの子の父が一番大事に育てていた鉢の花が!!」
新聞紙の中には、デンファレが2房入っていました。私は涙が止まりませんでした。「おまかせください!」それだけお伝えするのが精一杯でした。そしてお花をお預かりしフローリストのもとへ走りました。
・・・そして・・・・
いよいよセレモニーホールの扉が開きました。涙いっぱいのご新婦様の手には、今日の朝、力いっぱいに咲いたお父様のデンファレが入ったブーケをもって・・・・。
一歩一歩、バージンロードを進む・・・。
天国のお父様の夢、「娘とバージンロードを歩きたい。」それが叶った。
幸せいっぱいの一日でした。
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