バージンロード
「お父さんと腕を組んで歩いたことなんて、なかったね」
「きっと、これからもないね」
まだ閉ざされている扉の前で
花嫁さまが、小さく微笑んだ
照れているのか、さみしいのか
お父様は、何も言わずに頷いた
バージンロードは
花嫁の人生だと言われている
花嫁が生まれてから 今日の日まで
一番近くにいた男性であるお父様
今日の日までの人生を、一緒に歩み
その先に待っているのは、最愛の人
お父様は、花嫁の手を取り
今日からの新しいパートナーへと受け渡す
ここから
お二人の新しい人生がはじまる