想い出
最近は何かと忙しく、実家に帰るのも久しぶりだ
明日の結婚式に飾る、小学生の時に使っていたバットとグローブを取りに行くのだ
車で1時間もかからない距離に住んでいるのに、何かと後回しになっていた
車を走らせていると、見慣れた風景が近づいてくる
通い慣れた通学路、見慣れた防風林
お小遣い片手に遊びに行った、プラモデル屋
そんな懐かしい風景を片目に、実家への家路を急いだ
次の角を曲がれば、実家が見える
信号待ちで、ふと汚れの目立つ窓ガラスから見えたのは
幼い頃、毎日走り回って遊んでいた公園だった
公園には、1組の親子が楽しそうにキャッチボールをしていた
当時は見慣れすぎて気にもしていなかった綺麗な夕日が親子を包み込んでいた
僕の頭の中に、幼い頃の親父との懐かしい情景が鮮明に蘇ってきた
社会人になり家を出ると、会話も少なくなり
たまの連絡はそっけない態度のメールばかり
大人になるにつれて、自然と開いてしまった親父との距離
面倒くささと、恥ずかしさが入り混じった距離
そんなことを回想していると、突然の雨が降ってきた
実家のバットとグローブを車に詰め込み、車を走らせた
また、さっきと同じ公園が見える信号で止まった
何気なく公園に目を向けると、さっきの通り雨も上がり
ちょうど夕日が沈む、何とも風情のある景色が一面に広がっていた
札幌の結婚式場|ジャルダン・ドゥ・ボヌール|コンセプトムービー